菌やウイルスの除菌に効果大、紫外線UV-Cとは?その効果も解説

風邪のウイルスや日々発生する雑菌など、目に見えない菌の対処、 あなたはどうしていますか?

はびこるウイルスや日常にひそむ菌による感染を防ぐために、除菌を意識している人も多いと思います。

除菌をうたった商品は、ドラッグストアなどにいけば多く見受けられますが、それ以外にも紫外線のライトによる効果の高い除菌方法があります。

今回は、紫外線の中でも除菌効果があるUV-Cについて解説します。

 

日常的に使われている紫外線除菌

太陽光のひとつである紫外線。太陽から放たれる電磁波の一種であり、古くから殺菌効果があると知られています。

 

どちらかというと、「日焼けやシミの原因」としてどうしても女性には嫌われがちな紫外線ですが、実はあらゆる形でわたしたちは日々恩恵を受けています。

 

たとえば、太陽で布団を干すのも、紫外線の殺菌効果を利用したもののひとつ。

布団を天日干しすることは、太陽光で温められて気持ちがよいだけではなく、ダニや除菌の効果があることを昔の人は知っていたのですね。洗濯物もそう、日に干すことで除菌されるため、わたしたちは気持ちよく服を着ることができます。

 

最近では、紫外線を利用した設備も見られるようになりました。浄水器の除菌に使われたり、医療機関などで手指消毒に紫外線のライトが組み込まれていたり。また家庭では、紫外線照射機能がついた家電として布団用掃除機や、歯ブラシを清潔に保つための除菌装置、赤ちゃんの哺乳瓶を滅菌する機械などもあります。

 

これらの除菌効果のある設備では、紫外線の中でもUV-Cが利用されています。

ではこのUV-Cとはどんな光なのでしょうか?

 

紫外線の種類UV-A、UV-B、UV-C

紫外線は波長によって区分され、それぞれUV-A、UV-B、UV-Cと呼ばれています。

今回お伝えしているUV-Cとは、100〜280nmの波長を持つ電磁波のこと。

まだ詳しいメカニズムは解明されていないものの、UV-Cのライトを菌類に照射すると、菌の細胞の中にあるデオキシリボ核酸(DNA)が光化学反応を起こし、遺伝子情報が分解されることで、死滅すると考えられています。

 

そして紫外線の中でも260nm近くの波長が一番殺菌力が高いとされ、赤痢やチフスなどの菌類、エイズやB型肝炎などのウィルス、各種カビなど、すべての菌類に効果があることが証明されており、国をはじめとしてUV-Cは広く一般にも利用されるようになりました。

 

紫外線の種類とその効果

紫外線の波長別効果は以下の通りです。

 

UV-C(100〜280nm) 

殺菌、清浄作用が高い。大気層(オゾンなど)で吸収されるため、地表にはほぼ届かない。

 

UV-B(280〜315nm)

一部は地表へ届く。ビタミンD生成を促す。日焼けの原因はおもにこの光。

 

UV-A(315〜380nm) 

地表まで届く。UV-Bほどではないが日焼けの原因になる。印字、製版にも利用される。

 

体や環境にも優しい紫外線

紫外線の他の除菌方法といえば、アルコールや塩素などを利用した薬剤が思い浮かびます。

ただ薬剤で除菌した場合は、どうしても対象物に薬剤が残ってしまいますから、食品や赤ちゃんが手にするおもちゃなどへ使うとなると、薬剤が体内へ入る恐れがあり心配です。しかし紫外線の除菌であれば、光を当てるだけなので何かが残ることもなく、食品や日用品を殺菌するのにも安心ですね。

 

また塩素を利用した除菌では、使用後の薬剤を排水で流すことになるため環境への負荷がかかりますが、紫外線であればその心配もなく、環境にも優しい方法であるといえます。

 

国も認めている紫外線殺菌

厚生労働省では、卵の表面に付着するサルモネラ菌や、理・美容室でのカミソリ使用時、紫外線殺菌を義務づけています。また、平成19年3月には、地表水以外の水を扱う施設において紫外線処理を新たに位置づけるとも発表しています。このように、紫外線照射による除菌は厚生労働省も認めている殺菌方法と言えるでしょう。

 

まとめ

除菌方法のひとつとして、あらゆる菌に効果的な紫外線UV-Cについてご紹介しました。

UV-Cを使った除菌ならば、薬剤をつかった除菌よりも体や環境への影響を考えずに利用できるので安心です。また光を当てるだけなので、食べ物やこどもが普段遊ぶおもちゃなどにも気兼せず使えるのがいいですね。

紫外線での除菌を、新しい選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか?